【綾乃side】




それから三日後のこと。


月曜日は無事、遅刻ギリギリじゃなく普通に登校できたからクレープは奢らなくてよかった。


ヒロくんにブレザーも返したし。


だけどそれは唐突に起こった。


あたしはお昼休みになってお弁当を食べ終わると、
いつも通り千秋ちゃんとのガールズトークに花を咲かせていた。


「ねぇ、綾乃」


突然、名前を呼ばれて首を傾げる。


さっきのニコニコとした瞳とは違う真剣な眼差しで
あたし目をジッと見つめる千秋ちゃん。


その頬はほんのりと赤く染まっている。

熱…でもあるのかな?



「どうしたの?」


「私ね、好きな人いるの」



突然の告白にあたしは目を丸くして驚いた。

だって、あの千秋ちゃんに好きな人がいるんだよ!?


好きな人がいるなら
告白されても断るのも当たり前だよね。