【完】不器用な彼はマイヒーロー




「で、でも…!」


「はい、デコピン」


ヒロくんの手が近づいてきてギュッと目を瞑る。

だけど一向に額に痛みを感じない。

え…?

あたし、痛み感じなくなっちゃった?


恐る恐る目を開けると目の前にヒロくんの大きな背中が見えた。


あ、あれ…!?

ヒロくんもしかして嘘ついたの!?



「ヒロくーん!」


「んだよ…」



さっきの甘々なヒロくんはどこにいったのやら…。

今はいつも通りの無愛想さだ。


「ありがたく奢ってもらっとくね…だけど!

今度はあたしが奢るからね!」


「うわ、それは後が怖いな」


「わぁ!ひどい!!」


「ハハッ、嘘だよ嘘」



無邪気に笑ってるヒロくん。

こんな顔を見れるのは今はあたしだけなのかな?

そんな特別感が何故が嬉しく思えた。