勝手に自分の中の想像を膨らませているとあたしの前に開いた状態で置かれたメニュー表


それはヒロくんが置いてくれたもので。


しかも、わざわざ見やすいように開けて置いてくれるのは
普段から人への気遣いができる彼だからこそできること。



でも、一つだけ文句をつけるなら何か言って渡してくれればいいのに。…って渡してくれてるのにそんなこと思うのは図々しいよね。


まあ、何も言わずに渡してくるところもヒロくんらしいけどね。



「ありがと」

「ん」



ヒロくんの視線はメニュー表に向いていてあたしの顔なんて見ていない。


こんなに必死に見てるなんて
ヒロくんもよっぽどお腹すいてるんだろうなぁ。



「綾乃はどれにする…ってなに?そんなに見て」