【完】不器用な彼はマイヒーロー





――***…




「ただいま」


「おかえりさない~、ご飯出来てるわよ」



リビングの方から母さんの呑気な声が聞こえる。



「…後で食べる」



ローファーを脱いでリビングの方へと一言そう言って母さんの返事も聞かず、階段を登り自分の部屋へと向かう。



自分の部屋に入り、明かりもつけないでベットに寝転がるとギシッとスプリングの音が鳴った。



目を閉じて今日あったことを振り返る。


帰りは綾乃と花を買いに行ったついでにコンビニ寄った。


そこで綾乃はおばさんへのプリンを買って、満足気に微笑んでいた。


あの時…俺がトイレになんて行かなければよかったんだ。



トイレに行った後、綾乃一人残して、行ってしまったことをすぐに後悔した。



だって、さっきまでそこで微笑んでいた綾乃がいなくなっていたから。