【綾乃side】



「あーやのっ!いい加減起きなさいよ!!」


一階からママの叫ぶ声であたしは重たい瞼をだんだん上げて目を覚ました。


ハッとして目覚まし時計の針を見ると、短い針が8、長い針は12を指していた。


え、もう八時……!?

や、ヤバイ……!!!
また、遅刻しちゃう…!!


勢いよくベットから飛び起きて
ハンガーに掛けられた制服へと手を伸ばす。


ピンクのドット柄のパジャマを脱ぎ捨てて
慣れた手つきで赤チェックのスカートを履き
ブラウスのボタンをパチパチととめて赤のストライプ柄のリボンを付ける。

そして最後に黒のブレザーに袖を通す。


うちの学校の制服は県内でも可愛いと有名な制服はなの。

あたしも半分はこの制服で選んだんだけどね。


机の上にドンッと置いていた指定のスクールバッグを持って

バタバタと今にも転びそうな勢いで階段を下りる。