涙の意味も、嘘の理由も








『ちょっと待って。』


何処からか来たのか、

その父親の前に男子高校生が立っている。


(なに、こいつ。せっかく死んだって打ち明けて

ハヤテくんが理解していく顔をずっと待ってたのに)



男子高校生は父親の耳で何かを囁くと、

ハヤテくんに向かって、にこりと笑った。



『さっきね、お兄ちゃんに君のお母さんから

電話が来たよ。

それでね、帰るの遅くなるかもしれないって、

それでも、待っててくれる?って

お兄ちゃんに聞いてきたよ。


できるかな?』