Death carried

頭に血がのぼって初撃は不覚を取った。

しかし冷静さを取り戻せば、ジェイソンの攻撃は実に緻密だった。

踏み込んでくるストーンコールドに対して、丁寧で正確なパンチ。

出足を止めると同時に相手との距離を測る。

そうやって間合いを取った所で。

「てめぇ!」

何度も鼻面を打たれて激昂したストーンコールドの顔面に、強烈な後ろ回し蹴り!

踵で眉間を打ち抜かれ、ストーンコールドほどの筋骨隆々の男が片膝をついた。

「大戦の英雄様も、盾にする相手がいなけりゃ脆いと見える」

嘲るように呟くジェイソン。

「くそっ!」

溢れ出す鼻血を片手で拭い、興奮状態でストーンコールドは立ち上がる。

なのに。

「ぐ…!」

上手く立ち上がれない。

足が言う事を聞かない。

「額や眉間は、強打されると脳に障害が起きる。切られれば大量出血し、目に血が入って視界を奪われる…そのくらい知ってるだろ?英雄様よ」

ゆっくりと歩み寄ってくるジェイソン。