「もっと歳食った男かと思っていた」

その荷物を預けながら、男はジェイソン・マーティンの顔を見る。

スキンヘッド、無精髭である事がマイナス。

しかしそれを補って余りあるほどの、モデル級のルックスだった。

ダークのスーツを着こなし、身のこなしも洗練されている。

歳の頃は30代前半といった所か。

欧米系の顔立ちは、世界中どこの女性にも好まれる事だろう。

…もう少し笑顔を見せれば。

「サービス業じゃないんでな。不必要に笑うつもりはない」

ジェイソンはそう言って、荷物…ジュラルミンケースを片手で受け取った。