知らないあの人

私に声をかけたのは、西内君。ちなみに彼は生活委員の男子。

「いいね、西内君は男子だから。」

「ごめんな、俺が男子で。」

今日の内に仲良くなって西内君は私にさんを付けなくなった。
仲良くなれて嬉しいな。

「西内君、思ってないでしょ。」

「どうだろ。んじゃね。」

「…ばいばい。」

西内君は帰って行った。

そう言えば一組の生活委員の男子って誰だろ。

そんなことを思いながら職員室の前で待っていると、一人の男の子が歩いてきた。

「「……あ。」」

目が合って二人同時に声をだす。

「いや、まさか、こんなことあるんだね。」

「うん、ほんとに。」

それは朝、一緒に登校した男の子だった。

「一組だったんだね。」

「うん、一組。」

ガラガラッ

「あ、君たちだね。生活委員は。」

職員室のドアが空いて男の先生が出てきた。