「ありがとうございました。」

「はい。」

男の子が歩いていく。

でも一緒の学校だからわたしもその後をついて行くしかない。

赤信号になって男の子が止まる。追いついてしまった私はもちろん止まる。

……気まずい。

「あの、同じ学校ですよね。」

気まずい空気に耐えられなかったのか、男の子の方から話しかけてくれた。

「そうですね、はい。」

「何年生ですか?」

「今日からです。親が都合で来れないので入学式なのに電車通学なんです。」

「俺もです!それじゃあタメですね。」

「マジですか。身長高いし先輩かと思いました。」

「タメだし、敬語やめません?」

「そうだね、うん。」

「これからよろしく!」

「うん、よろしくね。」

それからお互いの中学校の話をして結構盛り上がった。
男の子の中学校の名前が何故か聞いたことがあった。

「あ、ここだ。」

話している内に高校についた。

「じゃ、クラス見に行こっか。」

「うん。」