昼休みの中庭。


秋が深まり、冬の訪れを感じさせる。

ついこの間まで緑の葉を讃えていた木はすっかり葉を落としている。


制服の上から羽織ったカーディガンの裾が風に揺れる。


凛子が心配そうに訊ねてきた。


「斗馬とケンカした?」


「.........」


黙ってうなずく私。



「文化祭ではあんなに仲良かったのに?」



凛子には全てを話したほうがいいと思った。



後夜祭であったこを全部話した。


話しながら涙が溢れてきた。


「ルナ......」


凛子が私を優しく抱きしめた。


「辛かったね.....ルナ」



うん、うん。


私はうなずく。


私たちに同時に起こった悲劇。

私には光さん、斗馬には麗華。


お互いの思いとは裏腹に、あらぬ方向へどんどん進んでいってる。