文化祭までもうあとわずかだった。


準備は順調に進んでいる。


その間、部活はないから斗馬と一緒にいる時間が増えたことが嬉しい。



連日の準備は夜までかかっていた。


「ルナはいいよね、一緒に帰る人がいてさ」


もはや、私と斗馬はクラスのネタになっていた。




「僕が君を守るから安心してついてきて」

「うれしい斗馬様」


キャスト班の小芝居が始まる。



「もう、みんなやめてよ」


見てるこっちが恥ずかしい。


「それだけ祝福されてるってことだよ、ルナ」


「そうよ、あたしら二人が理想なんだから」



そ、そうですか?



チラッと斗馬を見る。


「ルナ、俺が守るから帰ろうぜ」


ちょ、何を言い出すの?!



「キャー!!マジやばいー!!」


女子から歓声があがる。


もー、火に油を注ぐようなこと言うんだから。


斗馬は涼しい顔をしている。


「じゃーなー」



斗馬は私の肩を抱いて教室を後にする。


「ちょっと、あてつけひどくない!!」


断末魔の叫びが教室にこだました。