いつの間にかクラスメートに囲まれてる。


やばい。



「見せもんじゃねーぞ!仕事しろー」


斗馬が声を張る。


「キャー、仕事仕事」



笑ながら、蜘蛛の子を散らすようにみんなは持ち場へ走る。


「完全クラス公認だね」


丸めた台本をもって凛子が来た。

文章が得意な凛子は脚本担当だった。


「斗馬、劇の練習は進んでる?」


凛子が聞く。


「ああ、ちょっとここ変更して欲しいんだけど....」

台本を開き、


「ここのセリフなんだけど.....のほうがウケると思うんだけど」

「そうね、じゃあそうしよっか。キャストに連絡しないと」


慌ただしくキャストを呼び集める。