カチっ。 壁にかかる時計が大げさに時を刻む。 「あいつは誰も愛せない、璃子以外」 「......光さんはそれで幸せなんですか?」 「どういう意味だ」 「璃子さんの影をいつまでも追いかけて、それで幸せなんですか?!」 言ってる自分が滑稽だ。 私だって、いまだに斗馬をわすれてないのに。 でも、光さんとは違う。 いつか忘れられる。 クラスが変われば、斗馬以上に好きな人が現れれば。 きっと忘れられる。