TUBASA ~つばさ~

慌ただしく、先生は保健室を後にする。


重い沈黙が保健室を支配していた。


私は緊張して、何度もカップを口に運ぶ。


雨が窓を叩く音が時々聞こえる。



雨、まだ降ってるんだ。



光さんは頬杖をついて、窓の外の闇を見つめている。




カ...タン。


私はカップをテーブルに静かに置く。




「帰ろうか」


立ち上がると光さんは二人分のカバンを肩にかける。


保健室に鍵を掛けると、先生の下駄箱の靴の中へそれをシャラリと入れた。



昇降口から外を見る。


漆黒の闇の先は何も見えない。


雨音が不気味に響き、外は別世界のようだった。