「ばいばい、学校頑張んだよ、後で迎え行くから」

「うんっ!」

そう、にっこり笑って友達の元に駆けつける奈緒。


よし帰るか〜…


と思った時、

足になにか引っかかった。

ん…?
人の足…

足をたどって
顔を見ると…

「どーも」

って言って睨んでくる男。

細身なくせに力結構ありそう…

「なんか用?」

ってうちも睨むと

男は真顔のまま、

「いや。てかお前」

「なに、初対面でお前は辞めてくんない?」

キッときつく睨むと

「お前、華盃の総長だろ」

「だからなに」

「俺、お前の事知ってるけど名前知らねぇんだよ」

「名前は?」

「龍紀」

意外とかっこいい名前。

「お前は」

「梨乃」

「へぇ」

ニヤッと笑って

うちの髪の毛に触れてくる

思わず反応しちゃって

「勝手に触んな!」

ってキッて睨んだ

「そんな睨むなよ」

「きもい」

うちは足早に走って

その場を去った。

ああ、イラつく。

家に着いたらバンッとドアを強く閉めて

部屋に入って適当に家の鍵投げて

ベッドにダイブする。

あー、うっぜー。

なにあいつ。

かっこいい顔しながら

うざいヤツ。

枕をドアのとこに思いっきり投げる。

「…」

行くか…

うちは、総長の印の
ネックレスをつけて
バイクで倉庫に向かう

ガチャッと倉庫の扉を開けると

誰もいなかった。

ラッキー。

倉庫の二階に行って、

ふっかふかのソファーに座る。

「あーれ、梨乃」

男の声がして振り返ると

扉にアイツがいた。