「うん、ありがとう。でも、大丈夫だよ」
「んな事言って、何かあったら遅いだろ?」
ホント心配性だな〜
あれ?あんな所に女の子……珍しい…普段は遠巻きにしかいないのに……
倉庫の入口の傍にひとりの女の子がいた
「來龍、あの子…だれ?」
「ん?……萌愛(モエ)…?」
知り合い……?
來龍が女の子の名前を呼ぶなんて…珍しいこともあるんだなぁ…
ミッキーぐらいしか覚えてないと思った
「!キリくん!」
「何で萌愛がここに…」
「会いたくなっちゃって……駄目だった?」
キリくん……仲いいんだなぁ
恋人かな?
そう思ったら、胸にズキッと痛みが走った
「ダメとかの問題じゃねぇたろ。今すぐ帰れ」
「なんで!?キリくん最近冷たい!」
ん…と、これはどうしたらいいのかな……
そうこうしているうちに、女の子が私に気づいた
睨まれてる…?え、何!?
私なんかやったっけ?
「……おねぇさん誰?」
「…君こそ誰?名前を聞く時はまず自分からって教わらなかった?」
ちょっとムカッときたので、挑発してみた
これぐらいはかわせるよね
「私は、キリくんの彼女の山下萌愛よ!」
「私は、皇の姫の綿貫碧羽」
彼女かぁ…いたんだ
見たところ年下かな?
