「…悪かったな、急に姫なんてやってもらって」

「え?別にいいよ?」


気にしてたのかな?
そんなこと気にしなくていいのに……


「でもよ……」


くよくよするなんてらしくないなー


「私が選んだことなんだから、來龍が気にすることじゃないよ?」

「そうか、ありがとな」



フワッと笑う來龍
優しくて、暖かい笑顔だ

まだ少ししか來龍のことは知らない
それでも、私が見てきた中でこの笑顔は一番綺麗だと思う



「守るから。だから、そばから絶対に離れるなよ」

「……////ありがとぅ…」


力強く手を握られる
まるで、

離さない

そう言われてるみたいだった



「………………」

「………………」



互いに何も喋らない

ただ、側にいて手を握っているだけだった



「「あの…」」

「あ、なに?」

「いや……皆おせーなーって…」


確かに……
結構時間たったと思うんだけど……


「あ、」

「ん?どうしたの?」

「いや、あれで隠れてんのかなーっと……」



ホントだ…
すごい丸見え……舜なんかこっちをガン見して隠れる気なんてなさそうだ

「……行くか」

「だね……」

どちらからとも無く手を離した