「行くぞ。ちゃんと捕まってろよ」

「安全運転でね?」



來龍がふっと笑った



「おれを誰だと思ってんだよ」

「……來龍様?」

「ククッよく分かってんじゃん」



最近気づいた
來龍は結構俺様

でも、優しくて友達思い



「今日どこいくの?」

「ん〜着いてからのお楽しみな」



どこ連れてく気なんだか……

やっぱりバイクはいい。風が全身を駆け巡る
血が滾る。走りたい

全身で風をうけて、景色を廻したい




「…塩の匂い…?」

「もうそろそろ着くぞ」



バイクが止まった



「ここ…水族館…?」

「前に来たいって言ってただろ?海沿いの水族館」



來龍が連れてきてくれたのは海沿いに新しく出来た水族館

覚えてたんだ……結構前に話したことなんだけど……



「ありがとう。連れてきてくれて」


頬がゆるむ
嬉しくて、笑っていた



「ん。行くぞ」




そう言って目の前に差し出されたのは……チケット…?



「もう買ったの!?お金払うから!」

「いいって。俺が連れてきたかったんだし」


……なんていい奴…これだからモテるんだね



「ほら行くぞ」

「うん!」



中に入ると

海月、ウミウシ、ヒトデなどの海洋生物から始まって

大きなガラスの水槽


サメや、魚達、エイが悠々と泳いでいた