「パレード見てから帰るか」

「うん!場所取りしなきゃねー」



パレードは人が多いからいい所取らないと
それにしても…人が多いな……ほとんど埋まってる…


「碧羽、こっち」



手を引かれ連れていかれたのは、パレードの一行から離れた橋の上だった

下を向けばパレードを待つ人の明かりが見えた



「ここ?パレード遠くない?」

「パレードはな。もう少し待ってろ」



不思議に思っているとパレードが始まった

上から見るパレードは、初めての景色で綺麗だった



「わぁ……キレー」

「ここ、今回のリニューアルで出来たとこでさ、穴場なんだ」

「そうなの?」

「あぁ。お、そろそろだな」





ドォ-ン!




空気が揺れる音がした
顔を上げ、前を向くと目の前に
火の華が舞っていた


言葉にならない感動にしばらく見入っていた


後ろから抱きしめられ、耳元にキスをされた


こっちをむけと言わんばかりのキスだった




「碧羽、好きだ。夏の日に言った好きとはまた違う。お前がただ愛おしくて仕方がない」