震えていたはずの体が落ち着いた
じっと見つめる萌愛ちゃんと向き合い、來龍に支えてもらいながら立ち上がる
「萌愛ちゃん。萌愛ちゃんが私を嫌うのは分かるよ、來龍のこと大好きだもんね。でもね、私は來龍を萌愛ちゃんには渡せないの。大好きだから」
「………………」
「だから、もうやめよう。萌愛ちゃんがしてる事は自分も、來龍も、修君も、みんなを傷つけてる。來龍を守れてないよ。ね?」
「…ホントは分かってたの。自分のしていることは間違ってるって…それでも、止められなかった。初めてできた兄妹だったお兄ちゃんも、ずっと一緒にいたきり君も、皆あなたを見てることが羨ましかったの……」
萌愛ちゃんの目からボロボロと涙が溢れてきた
「萌愛……悪い、俺は……」
「いいの、別にお兄ちゃんは悪くないもん。私がひとりで突っ走っただけだから。きり君も、今までごめんなさい」
