桃李が撃たれた
右の肩口を抑えてうずくまっている
銃を構えていたやつに向かって、侑李が殴りかかろうとしていた
「侑李!ダメ!」
「っ!……」
ここで手を出してしまったら、きっと相手の思うつぼ
侑李ならそれを分かっているはずだ
「侑李、下がって」
「っ……わかった」
「智洋、桃李を診てあげて」
「あぁ」
「ふん。風雅の奴もたいしたことねーなぁ。これならすぐ勝てそうだ」
「殴りてぇ…」
「ダメ。まだ」
殴りたい気持ちは分かる
でも、もう少し、もう少しだけ…
「これで、迅も、皇も終わりだなぁ。こんなヤツらに銃なんていらねぇな。さっさと終わらせるぞお前ら。やっちまえ!」
「迅、応戦するぞ!」
「あぁ、頼む」
皇と、迅が共闘していた
だが、やはり組の方が強く、あっという間に戦力を削られてしまった
(連絡まだ!?)
こない、一向に…このままじゃ、負ける
早く、早く、早く!
