目の前までバイクの集団が来ると止まった
一番先頭にいた奴がヘルメットをとった

メットつけてるやついたんだ……



「お前…皇の総長か……」

「あぁ、そうだ。それよりお前ら、よくもうちの連中に手を出してくれたな」

「はっ、あんな奴らのことまで気にしてんのかよ。忙しーな、No.1ってのは」

「なら、諦めるか?」

「ちっ……まぁいい。お前は今日で終わるんだ。さっさと片付けてやるよ」



後ろにいた男達が雄叫びをあげる
皇の連中も負けじと威嚇し始めた

私も誘導しますか



「まぁまあ、待ちなよ。こんな街中でやったら一発で警察に捕まっちゃうから、移動しよう?」

「はっ、女ぁ、まさか怖いってのか?」

「何言ってるの?怖いわけないでしょ?あ、もしかして怖いのはホントはそっちなんじゃない?」

「なに?」

「折角こっちが場を提供したってのに、乗ってこないのって怖いからでしょ?」




案の定、顔の形相が悪くなっていく

こういう単純なヤツは乗ってくれるから楽でいい
山下萌愛がいたらこうなっていたかは分からなかったけどね




「……上等だ。お前ら、やっちまえ!」

「來龍!」

「あぁ。飛ばすぞ!」




來龍がバイクを動かしたと同時に、皇牙も動く
後ろから猛スピードで追いかけてくる



「やりすぎた?」

『……ちょっとな…』