今日は朝からみんながソワソワしている
幹部室にいても、下っ端達の緊張が伝わってくる

時間まであと少し



「碧羽。ちょっといいか?」

「?うん」

「時間までには戻ってきてね」



來龍に連れられてきたのは倉庫の裏だった



「來龍?何かあったの?」

「いや……これお前に渡したくてな」



そう言ってポケットから出したものは細長い、リボンのついた箱だった


「これは?」

「開けてみろ」



促され開けてみる
中には、シンプルなデザインの星が散りばめられ、誕生石が埋め込まれた棒所のネックレスだった



「……可愛い」

「気に入ったか?付けてやる」



手渡すと、そのまま流れるように前から付けられた
目の前には來龍のTシャツが広がっており、恥ずかしくなった

上手くつかないのか、時間が過ぎるのがゆっくりに感じられた



「ん、ついた。似合ってる」

「…ありがと……でも急にどうして?」

「…お守。お前を守ってくれるように…」

「そっか。あ、じゃあこれ來龍にあげる」



私が首からつけていたネックレスを取る
羽に龍が守るように巻きついいるデザイン

お母さんが学生のころお父さんに渡した物
『お守』として



「サンキュ」

「うん」

「あ、いたいた。お二人さん、そろそろ時間だよ」



呼びにきた壱耶に促され、手を繋いで皇全員の前に立つ