「巻いたか?」

「そうだね。見えなくなった。今のうちに行こう」

「あぁ。もう離すんじゃねーぞ」



ヘルメットのスモークシールドを下ろし、お店に向かってバイクを飛ばす
思いのほか時間を食ってしまった

まだ近くにいるかもしれないので警戒しながら進む




「碧羽、近道ないか?」

「えっと……ここいらなら…ちょっと先にコンビニがあるからそこを右に曲がれば繁華街の近くに出るよ」

「了解」




______



バイクが止まり、店の裏口から入る
階段を駆け上がると煉が待ち構えていた


「遅かったな」

「うん。ちょっと厄介だった」

「煉さん。あいつらやっぱり……」

「あぁ、思った通り…加賀美組だった」