………部屋が一瞬で静かになった
原因は、來龍の隣に座っている光忠のせいだろう
肌で感じることが出来るほどの殺気が、背筋にゾクッと冷えた
過去に何かあったのだろう
人を殺せそうなほど恐ろしい
「落ち着け光忠。お前がイラついてもどうにもならないだろう」
「大輝さん…すみません。ちょっと気が高ぶっちゃって……気おつけます」
「続けるぞ。山下萌愛とその母親は、定期的にうちに来る。母さんが亡くなったから、後妻としてうちに入れるつもりらしいんだ」
「ということは、山下萌愛とは義兄妹になるってこと?」
「あぁ、山下萌愛はうちがヤクザだということをいいことに、好き勝手やっているんだ。……神岡來龍、綿貫碧羽、お前達になにか仕掛けるらしい」
何…具体的には加賀美も分かっていないということか……情報が少ないな…
「それで?なぜ私たちに?」
「さぁな、そこまでは分からない。しかし、そのお陰でうちの組は更に荒れた。これ以上放っておけない」