客観side


うちの族の姫特別だ
なんというか、ちょっと変(?)な人
あの姫に嘘なんてつけない

嘘をついたって、あの瞳には全てバレている
心の底まで見透かされる



だからかな。あの人の周りには自然と人が集まる
人を魅せて離さない

今回だってそうだ

『攫われた』

それを聞いた瞬間に幹部が全員動いた
舜哉さんは何の迷いもなく、風雅の元に
椿さんはGPSを探し始めた
慧斗さんは下っ端の準備
壱耶さんは誰かに電話を

総長はじっと黙って、ただ、携帯を握りしめていた



ギラギラしていた総長はそこにはいなくて、何かを思いつめた、ただの男の人がいた

誰にもなびかず、我を通していた総長が、人を愛することを知った


総長を変えてくれた

皇を変えてくれた


うちの姫は、変わった、でも、強くて、美しい人



客観side end