「分かった……はーい、どちら様ですか?」

「宅配便でーす」

『今日中にこっちこれそうか?』

「お兄ちゃんが帰ってきたら行けるよ」



玄関の鍵を開け、ドアを開ける



「何頼んだっけ?」

「あんたの命」



告げられた言葉に恐怖を覚え、顔を上げず、家の中へ
同時に口と鼻を覆われ、声を出せなくなる
はずみで携帯を落とした


『おい?碧?おーい』


携帯はまだ繋がったままだ
腹に肘鉄を食らわせ、一瞬のすきを作る


「っ玲於!龍弥さんに連絡!」

『はっ!?おい、碧!』

「うるせぇ!黙ってろ!」


再び口を塞がれ、動きが取れなくなる
だんだん意識が薄れ、玲於の声が遠くなる


(まだ、もうちょっと…)



そのまま意識を失った