目の前のことが信じられない
來龍が、私のことを……
嬉しくて、ビックリして、涙が出てきた
｢……碧羽？｣
｢あっ……あの、えっと……これはその……｣
｢……ごめん。困らせたいわけじゃないんだ｣
苦しそうに、辛そうに笑う
そんな顔をさせたいわけじゃない
｢ち、違うの！あの、嬉しくて……｣
｢え……｣
｢あの、私でよかったら、よろしくお願いします…｣
｢っ……！ふっ、こちらこそ｣
ギュッと抱きしめられた
來龍の体温が伝わってきて、もっと涙が出てきた
｢泣くなよ笑。俺、お前の笑顔が好きなんだけど｣
｢もー……何それぇ……｣
目尻にキスを落とされる
それがくすぐったくて、笑ってしまった
｢……ありがとう、來龍｣
｢何のことだ｣
｢別に……｣
分かってるくせに
最初の頃、人に触られるのが苦手だった
來龍と一緒にいるうちに、あの時のことを思い出さなくなって、こうやって抱きしめられるまで平気になった
ありがとう……
