いい夢を見ているのか、口元が笑ってる
前髪をかき分け、ある所に触る

額の、左側に微かに残る傷跡

かなり古いものなのか、ほとんど消えている


何があったかは、俺にはわからない
碧羽も話してくれていない

俺はあえて聞かないが、いつか、碧羽が話してくれるのを待つ



「……俺じゃ、お前の力にはなれないか?」



溜め込まないでほしい

碧羽が傷つくことは許せない

もちろん。自分で自分を傷つけることも……



「いつかは、教えろよ」




傷跡にキスを落とす

ベットから立ち上がり、部屋を出た



來龍side end