來龍の手を握りながら考えた
1人で苦しい時に耐えてきたんだろうなぁ…
頼れる大人がいなくて…寂しかったんだろうなぁ……
そう思うと悲しくて、苦しくて自然と涙が流れていた
「私はそばにいるよ。來龍が私をどう思っていても…」
だから早く良くなって、と祈り、そばにあった毛布を体にかけ、來龍の手を握りしめながらじっと顔を見ていた
ふと、時間を見てみると、10時を回っていた
帰るつもりだったけど、置いていけないなぁ……
お兄ちゃんに連絡をして、泊まりの許可をもらおうとしたら、電話がかかってきた
『碧羽か?來龍君熱出したんだって?』
「うん。熱下がるまでいたいんだけど……」
『あぁ、いいよ。輝。今日は兄ちゃんと寝るか』
『あーい!』
「ごめんね、輝のことお願いします」
『おう。お前もちゃんと休めよ』
電話を切り、私も眠ろうかと思っていると……
『ちょっと、碧。俺とゲームするんじゃなかったの?』
「……ごめん。忘れてた」
うっかりしてた……
