そう促すと、静かに眠りについた


「碧ちゃん、はいこれ水枕」

「あ、ありがとう」

「來龍、子供みたいだったでしょ?」

「うん……」



小さな、小さな子供……
人の温もりが愛おしくて、ぐずってしまう子供

そんな感じだった



「來龍ね、小さい頃に母親と、離れ離れになってるの」

「………………」

「ほんとに小さな時でね、父親もその頃忙しくて、熱を出した時とかはほとんど1人だったみたい」



初めて聞いた
母親がいなくて寂しい気持ちは私にもわかる
だから、輝にはそんな思いさせたくなくて、兄妹で過保護になっていく

來龍は基本自分のことを話さない
だから人づてに聞く話が多い


空いた手で來龍の頭を撫でる
相変わらずのさらさら……


「碧ちゃん。多分來龍、しばらく目を覚まさないと思うから、一緒に寝ていいからね」

「……うん。そうする」

「じゃ、おやすみ。ご飯は起きてからまた用意するね」

「ありがとう」