「近くのやつからかかってこい」

「潰してやるよ」



もちろん、敵襲と見せかけて入ってきたから、ちょっくら遊んでもいいよね


演技するのって大変だなぁ


「ぉオラァ!!!」

「っらぁ!」



いい威勢だね。
一人ひとりのスピードも悪くない
ムダな動きも少ないし、急所の狙いどころも悪くない

でもまだ、決定的にパワーに差がある

力を入れるところを間違ってるなこの子達は



「はっはぁっ!まだまだアメーぞ!」



舜は楽しそうだね

良かった良かった
そろそろいいかな?疲れてきたし

するとそこに……



「そこまで!」



壱耶の声が倉庫内に響いた

幹部たちが上からこちらを見下ろしていた
椿と壱、慧斗たちは空気がピリついている

來龍だけ口元に笑みを浮かべている
気づいているようだ