「え?きーくん行くの?」

「あぁ、俺も持ってないしな」



持ってないんだ…


「ほら、行くぞ」


手を引かれながら倉庫を出る
止めてあった桐生のバイクに二人でまたがり、メットを被せられる

もはやメットを被せられるのは恒例だ



「モールでいいか?」

「うん。いいよ」



來龍への気持ちを自覚してから初めて二人で出かける
いつもみんなと行ってたからね


「イタリアから帰ったら暇か?」

「うん。暇」

「そうか……」



課題はあと少しだし、帰ってくる頃には終わってると思う


しばらく走るとバイクが止まった
倉庫付近の多きなモール

できたばかりだから綺麗


「どこに行く?いっぱいあるけど」

「ん〜…あ、あそこのお店にしよう」


そこは私の好きなブランドで、メンズも揃えてある



「へぇ、いいとこだな」

「でしょ!私ここのブランド好きなの」