プルシアンブルー“俺が守る”

「静かにしろ。新しい係長だ。」


「桧亨爽築(ヒダカ サツキ)警部補です。よろしくお願いします。」



不審死に気が滅入っていて、人事異動をすっかり忘れていた一同はすぐさま姿勢を正す。



「爽築!」


「なんだ知り合いか?」



「ただの同期です。」



職場…その上超坊の前にも関わらず下の名で呼んだ喝宥を、説明と共に鋭い目線を向けた。



「早速で悪いんだが、ドーピング疑惑で騒がれ中毒死した野球選手の箪鮑顎(タンホウ アギト)のヤクの入手先が分かった。組対がガサ行くから立ち会ってくれ。」


「分かりました。」



ニ軍落ちし戦力外通告を受けた矢先、通っていたジムのロッカールームで遺体で発見された。


体内からは、ステロイドやグリーニー、アンフェタミンといった、筋肉増強剤等の成分が多量に検出され捜査中だった。



「そういや、熱愛が報じられていたファッションモデルも中毒死していたよな。名前は確か…」


「珀吏(ハクリ)ですよ。本名は个趙壬綰(コチョウ ミワン)で、芸名の由来はその透き通るような肌から。最近痩せすぎだってSNSでも話題になっていましたけど、まさかヤクが原因だとは。」