大木部長は、会社では何事もなかったように涼しい顔をしている。
「付き合って欲しい」とか「好きだ」と言われた訳でもなく、ただ食事をして、寝ただけだ。
これで終わっても不思議はない。
自分自身も大木部長が好きなわけではなく、このまま放置されても悲しいとは思わないだろうと静観していた。
しかし、生理が来なくなり、まさかと思い妊娠判定キットを買って調べると、バッチリと出てしまった。妊娠していると。
慌てて病院に行くと、やはり間違いではなかった。
間違いなく大木部長との子供だ。あの一回きりの結果だ。
次の日、前に待ち合わせした会社近くのカフェロダンへ行き、大木部長に伝えた。
少し驚いた様子だったが、あっさり
「結婚しよう」と言って現在に至るのだ。
入社して、まだ一年余りで、会社には伝えにくかったが、このまま黙っているわけにも行かず直属の上司に報告した。
入ったばかりの新人が産休なんて、図々しくて取れないし、退職するしかなかった。
ただ、相手が大木部長と言うことで、あっさりと承諾されお祝いの言葉を頂いた。
その噂は一気に社内に広まり、二十歳差のカップルとして、好奇心から他の部署の社員が華の顔を見に来る人も居た。
ある日、会議室でミーティングの後片付けをしていると、奥の給湯室から声が聞こえる。
「あの新人の三島さんって凄い根性だよね」
「入社して一年経ってないんだよ。研修までして、給料泥棒も良いところだよね。それなら、就職なんてしなきゃいいのに」
「そうだよね。他の就活生が可愛そうだよ。あの人が入ったお陰で、一人落ちているんだからね。全く迷惑な話だよね」
「どうせ、結婚相手を探しに来たんでしょ」
「そうだね。目的は達成されたってことだね。しかし、何でもありだよね。二十歳も年下なんだから、おじさんも、そりゃ、コロッといくよね。それも妊娠って」
と笑い声が聞こえた。
身体が硬直し、しばらく動けなかった。
まさに会社に迷惑を掛けて辞めるのは事実だし、何も言えない。
ただ、私が誘惑したわけでもないし、望んだ妊娠ではない。でも、寝たのは事実だ。言い訳は出来ない。
悔しくて唇を噛む。
「付き合って欲しい」とか「好きだ」と言われた訳でもなく、ただ食事をして、寝ただけだ。
これで終わっても不思議はない。
自分自身も大木部長が好きなわけではなく、このまま放置されても悲しいとは思わないだろうと静観していた。
しかし、生理が来なくなり、まさかと思い妊娠判定キットを買って調べると、バッチリと出てしまった。妊娠していると。
慌てて病院に行くと、やはり間違いではなかった。
間違いなく大木部長との子供だ。あの一回きりの結果だ。
次の日、前に待ち合わせした会社近くのカフェロダンへ行き、大木部長に伝えた。
少し驚いた様子だったが、あっさり
「結婚しよう」と言って現在に至るのだ。
入社して、まだ一年余りで、会社には伝えにくかったが、このまま黙っているわけにも行かず直属の上司に報告した。
入ったばかりの新人が産休なんて、図々しくて取れないし、退職するしかなかった。
ただ、相手が大木部長と言うことで、あっさりと承諾されお祝いの言葉を頂いた。
その噂は一気に社内に広まり、二十歳差のカップルとして、好奇心から他の部署の社員が華の顔を見に来る人も居た。
ある日、会議室でミーティングの後片付けをしていると、奥の給湯室から声が聞こえる。
「あの新人の三島さんって凄い根性だよね」
「入社して一年経ってないんだよ。研修までして、給料泥棒も良いところだよね。それなら、就職なんてしなきゃいいのに」
「そうだよね。他の就活生が可愛そうだよ。あの人が入ったお陰で、一人落ちているんだからね。全く迷惑な話だよね」
「どうせ、結婚相手を探しに来たんでしょ」
「そうだね。目的は達成されたってことだね。しかし、何でもありだよね。二十歳も年下なんだから、おじさんも、そりゃ、コロッといくよね。それも妊娠って」
と笑い声が聞こえた。
身体が硬直し、しばらく動けなかった。
まさに会社に迷惑を掛けて辞めるのは事実だし、何も言えない。
ただ、私が誘惑したわけでもないし、望んだ妊娠ではない。でも、寝たのは事実だ。言い訳は出来ない。
悔しくて唇を噛む。
