父は昔から仕事人間で、わたしの誕生日にも顔すら出さなかった。 その日から、わたしは父に期待をしなくなった。 期待しても無駄なだけ。 「美雨は、どっちに付いてくるか決めておいてくれ。」 お母さんは、口を挟むことなく俯いている。 「お母さんに付いていく。」 「そうか。」 父は、一瞬動揺の表情を見せたがすぐに安堵に変わった。 悲しくなんか、ない。