『手なんて出さねーよ、バカ。』
 
Σんな!コイツ、心の声を‥
 
『読んでねーし。お前が口に出してんだよ。』
 
あーあーそうですかい。
 
『まあ、手は出さねーけど‥‥口は出すかな?』
 
そう言って、ニヤッと笑う山口。
 
ムカつく。周りの女子が、「キャー☆先生すてきーっ♪」とか言ってるから、余計ムカつく。
 
つーか口は出す、とか‥変態かよっ!
 
柚希ちゃんに手‥いや、口出したらタダじゃおかねえぞ!
 
って‥‥‥そーだよ!柚希ちゃんだよ!
もう1時間目が始まってんのに、柚希ちゃんが来てねーんだよ!
 
坂下に聞いたら、『朝は見たのに‥』とか言うし‥‥
 
マジ心配なんですけどっ!!
 
「おい山口!柚希ちゃんから連絡ねーのかよ!」
 
『ねえよ。つーか、その質問朝から15回目なんだけど‥』
 
オレと山口がそんなやり取りをしていると、
 
 
Σガラッ
 
 
教室のドアを開ける音がした。
 
 
 
『遅れてすいません‥‥』
 
 
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