柚留は柚希をこっちだよ、と案内し、1人の男の前に立った。
 
 
『先生、こちらが新入生代表の間宮柚希です。
 
先生も知っての通り、柚希は僕の可愛い可愛い妹でですね、』
 
 
『あー、分かった分かった。可愛い妹なんだな。』
 
 
『そうです。だからといって、先生。柚希に欲情しないで下さいよ?そんなことしたら――『分かってる。そんなことしねーから、俺の話を聞け。』
 
 
呆れたように、しかし微笑を浮かべたような表情をした男はそう言った。
 
 
『もうすぐ入学式が始まる。おい、間宮妹、準備はもう出来ているだろ?』
 
 
「はい、一応は‥」
 
 
『だったらもういい。兄貴と一緒に体育館に戻れ。
 
あ、俺はお前の担任の山口だ。サッカー部の顧問もしている。
 
まあ、これからよろしくな。』
 
 
こちらこそ、と言ってから、柚希は柚留と一緒に体育館へと向かった。
 
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