「何だよ、昇。」
 
部屋の隅っこにいるので、何となく小さい声で話してしまう。
 
 
『なぁ、柚希ちゃんにマネージャーやってもらおうぜ。』
 
「は!?無理に決まってんだろ!!だって―――」
 
 
『「柚希がマネージャーになったら、部員のヤツらが柚希に惚れちまう!」だろ?』
 
「お、おう‥」
 
よく分かったな、コイツ。
 
 
『でも、よく考えてみろよ。
 
柚希ちゃん、何にも部活に入る予定ないんだろ?
だったら、男からしたら好条件だよなー。
 
だって、放課後デートに誘い放題だぜ?
しつこく迫られてみろ、柚希ちゃんは優しいから、OKしちまうかもしれないぜ?
 
それで、男にどこかに連れてこまれて、あ〜んなことや、こ〜んなことされちまうぜ?
 
柚希ちゃんが危険な目に遭う。お前はそれでもいいのかっ!?』
 
 
「いいい、良い訳ないだろー!!」
 
つい、大きい声で叫んでしまった。
 
だって、だって‥柚希が‥オレの可愛い柚希が‥
 
 
「その男、連れてこい!!」
 
『いや、仮の話だから。』
 
昇に冷静にツッコまれた。
 
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