開いたドアの方を見てみると‥‥
 
 
 
『柚希ちゃ‥ん?』
 
 
「昇く‥ん??」
 
 
『あっれー!久しぶりじゃん♪柚留に連れて来てもらったんだろ?』
 
「うんっ!あっ、今、お兄ちゃんジュース買いに行ってて‥」
 
『そっか☆』
 
 
昇くんはニコニコと爽やかな笑顔を見せた。
 
 
 
  ノボル
井上 昇 。それが彼の名前。
柚留お兄ちゃんの同級生で親友でもあり――――――――
 
 
『奈々は部活?』
 
 
 
―――――私の親友、奈々ちゃんの彼氏でもあるのだ☆
 
 
「部活だよー☆高校でもテニス頑張るんだー!って、張り切ってたもんっ♪」
 
『中学からずっと頑張ってたもんな、テニス部。』
 
 
そう笑う昇くんは、奈々ちゃんのことが大好きなんだなぁ、と分かるとっても素敵な笑顔で、思わずジーッと見つめてしまった。
 
 
『どうした?そんなに見つめて。笑
こんなに可愛い子に見つめられるのは嬉しいけど、オレには奈々がいるからな〜惚れられても困っちゃうな〜』
 
昇くんがニヤニヤしながら言ってきたので、
「自意識過剰ですっ」
と言って、睨み付けておいた。
 
 
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