『あっΣ会長、待って下さい!
 
それじゃあ柚希ちゃん☆またね♪
柚留サマもさようなら。』
 
里沙先輩は笑顔でそう言い、絵里香先輩を追って、他の女の子たちと帰っていった。
 
 
私は柚留お兄ちゃんに疑問になっていることを言った。
 
 
「ねぇねぇ、お兄ちゃん?
さっきの人たちって、みんなお兄ちゃんのファンの人なの?」
 
『いや、違うよ。オレだけじゃない。
 
自分で言うのも何だけどさ‥サッカー部は、顔が良いのが揃ってんだよ。
 
だからファンクラブなんかがあったりして。
そいつら、いつも練習見に来てんだよ。
 
キャーキャーうるさくて大迷惑だけどな。』
 
柚留お兄ちゃんは、苦笑しながら言った。
 
 
『柚希、ここが部室。飲み物でも買ってくるから、ここにいて?』
 
そう言って、柚留お兄ちゃんは走って行ってしまった。
 
 
「ここが部室かぁ‥」
 
誰もいない部室にはロッカーがあり、ユニフォームやボールが散乱している。
 
綺麗にすれば、広そうな部屋だった。
 
 
「誰か来ないかなぁ〜?」
 
そう思っていると
 
 
――――――――ガチャ
 
部室のドアが開いた。
 
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