『本当に友達なんだな?』
 
柚留お兄ちゃんが疑わしげな目で私に言う。
 
 
「う、うん!さっきお友達になったの!」
 
 
『ふーん‥ならいいけど。
 
でも、友達だからって柚希を傷つけたら、女でもなんでも容赦しねぇからな。』
 
 
柚留お兄ちゃん‥‥
 
カッコいいっ!!
 
 
いつも『柚希ィ〜♪』って満面の笑みで抱き着いてくる、へらへらした柚留お兄ちゃんじゃないみたいっ!!
 
いつもこうだったらいいのにな‥;
 
 
『ほら柚希、部室行くぞ。』
 
そう言って柚留お兄ちゃんは、私の手を掴んで歩き出した。
 
 
『えっ!?今日は練習ないんですの?』
 
絵里香先輩が残念そうに聞く。
 
 
『あぁ。新入部員が来るからな。今日は練習なしだ。
だから今日はもう帰れ。』
 
柚留お兄ちゃんがめんどくさそうに答えた。
 
 
『そうですか‥仕方ないですわね‥残念ですが今日は失礼しますわ。
 
では柚留サマ、ご機嫌よう♪』
 
そう言って絵里香先輩は、綺麗な髪をヒラリとさせながら帰っていった。
 
 
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