『柚希の笑顔にやられたんだよ』と言おうとした奈々を、柚希は遮った。
 
 
「分かってるって♪私も分かるよ〜★ドキドキだよねっ!」
 
『う、うん‥‥』
 
(この子、自分が可愛いって、やっと分かったのかしら‥?)
 
 
「クラスに馴染めるかなー、とか!」
 
 
――――――――――?
 
 
「好きな人出来るかなー、とか!」
 
 
――――――――――ん?
 
 
 
「不安と期待でいっぱいだよね〜高校生活は♪
 
でも、相当不安だったんだろうね〜
安心して倒れちゃうくらい☆」
 
 
 
 
 
――――――――――ワッツ?
 
 
 
コノコハナニヲイッテイルノ‥‥‥?
 
 
 
も、もしかして、もしかすると‥‥
 
『柚希‥この男子が倒れた理由、
「緊張したけど安心しちゃって気絶しちゃった☆えへっ♪」くらいとしか思ってないでしょ‥‥?』
 
 
 
「えっΣちがうの‥‥?」
 
 
 
 
――――気絶しちゃった☆えへっ♪の少年よ‥‥‥
 
 
 
―――――――ドンマイ。
 
奈々は、心の中でそう呟くのだった‥‥‥
 
.