ただ今、入学式の真っ最中。
 
今は、校長先生のありがた〜い話の途中である。
 
 
そんな中、柚希は1人で緊張していた。
 
(挨拶、次だよ〜ぉ泣
 
絶対噛むしっ!どもるしっ!
 
みんなに笑われるのがオチだよ〜ぉ泣)
 
マイナスの考えしか浮かばない柚希に、ついに悪魔からの知らせが。
 
『新入生代表挨拶。新入生代表、間宮柚希さん。登壇して下さい。』
 
(き、き、キターー!!
 
ええい!もう、若さと勢いで突っ走ってやる!
 
どこまでも突っ走ってやるーっ!!)
 
腹を決めた柚希は、『はいっ!』と、元気過ぎる返事をして、登壇した。
 
 
登壇して、上からみんなを見渡してみる。
 
あれっ?
みんなどうして――――― 
 
―――大口を開けてるの?
 
中には口をパクパクして、金魚さんになっている人もいる。
 
 
(大変っ!みんな、お腹が空いてるんだわ!
 
だからあんなに口を開けてるのね!!
 
だったら早く挨拶を終わらせないとっ!!)
 
 
みんなが柚希の完璧過ぎる容姿にびっくりしていて大口を開けていたことに、
天然の柚希が気付くはずもなかった―――――
 
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