彼女を作らない、って言っても、1度も作らなかったわけじゃない。
 
人並み程度の人数と付き合ってきたし、
それなりのことも経験済みだ。
 
だけど、誰と付き合っても思うことは同じだった。
 
 
―――『つまらない』
 
(こんなんだったら、デートなんてしねーでシュートの練習してーよ‥)
 
きっとそれが態度に出ていたのだろう。
別れるのは速かった。
 
 
高校でもそんなんじゃめんどくせーな‥
 
――――――――― 
「おい、妄想に浸ってんな。
式、始まるぞ。」
 
智司の言葉で、オレは妄想の世界から脱出した。
 
『お、おう‥わりぃ』
 
そこでオレはハッとした。
 
 
『ってゆーか妄想じゃねーし!』
 
 
(いまさらかよ‥)
 
心の中で呟いた智司のツッコミは悠斗に聞こえるはずもなく、式が始まった。
 
.