チュンチュンと鳥の鳴き声がする。
 
気持ちいいくらいの日差しに、柔らかな春風が吹く。
 
そんな、いつもと変わらない朝がやって―――
 
 
 
『いつまで寝てんだ、
バカがぁ〜っ!!!!』
 
 
 来るはずがなかった――
 
 
 
「ひっΣ!ななな何事っ!?」
 
 
『間抜けな声出してねーでさっさと学校行け!!
 
柚留は先に行っちまったぞ!
 
今日、入学式だろーが!!
 
しかもお前、代ひょ‥』
 
 
「そそそそうだった!!
 
学校‥入学式‥校長先生‥
ハゲ‥‥あ、やっぱり校長先生ってハゲなのかなぁ?
 
うん★絶対カッパ型ハゲだよねっ♪」
 
 
『ハゲって決め付けてんじゃねー!!
 
しかも何でカッパ型なんだよ!!
全部ない、つるピカ型かもしんねーだろっ‥‥はっΣ
 
お前、人の言葉遮っといて、意味分かんねーことばっかり言ってんじゃねーよ!!
 
朝から突っ込むこっちの身になれっつーの!
 
早く学校行きやがれ!!』
 
 
朝から、なんて素晴らしくて激しいツッコミなんだろう!
 
 
と、自分の姉に小さな感動を覚えつつ、私は急いで家を出た。
 
 
 
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