雪の日に祝福を…。

   


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 私の世界は、愛などない。

 誰とも居ないことが私の人生なのだと今なら解るし考えられる。

 愛が私を壊して蝕み終わらせていくのなら…わたしは、そのまま終わってしまいたい。


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 長雨が続き月依は、体調を崩していた。


「月依さん、俺今夜帰ろうか?」


 燵夜は、父の命令で地方工場視察のお供をさせられていた。
 もちろん大学の集まりだと告げていたが・・・。


「大丈夫。熱も薬で下がったしマスターが世話を焼きに来てくれてるから。」


 お粥をいそいそ作る叔父の後ろ姿を見ながら答えた。


「そう、なら安心だね。」


「だから、雨が落ち着いたらゆっくり安全に帰って来て。」


「解った。月依さんも無理しないでね。」


「解った。」


 電話を切ったものの相手が心配でならなかった。



「月依、少し食べておけ。」


 ベッドにグッタリと倒れるように寝ている姪に声を掛ける。


「後でね。」


「お前病院からの検査結果もらってないのか?」


「まだ連絡ない。大したことじゃないないから連絡漏れしてるんじゃない?」