雪の日に祝福を…。

   


 》 》


 〝愛する〟ことは、とても残酷。
 想いが募るほど残酷になっていく。
 彼の想いを私は知らなかった。私の想いも彼は、知らない。

 それでよかった。

 同じ道を歩めないのだから。すれ違ったままでいい。
 私の世界は、不平等で回っている。


 《 《


 結果発表が間近に迫っていた。


「月依さん。」


 隣で眠る愛しい人に声を掛ける。


「おはよう、燵夜くん。いつ帰ったの?」


「遅くに。」


「そう。全く気が付かなかった。」


 寝転がり彼の方を見てにっこり笑う。


「今日は私、全休よ。」


「何をしようか。」


 柔らかな時間。


「好きだよ。
(ごめんね。)」


「私も好きよ。」


 抱き合って優しく口付ける。

 永遠に続いてほしいと願う燵夜と永遠に続くと思っていた月依の思惑は、お互いに届いていなかった。



「今後の勉強の為に美術館に行こうか?」


「いいよ。月依さんのしたいことしよう。」


「じゃあ、デートね。」


「そうだね。
(好きだよ。どうしたらいいんだ・・・。)」


 抱きしめて泣きそうなのを隠した。