雪の日に祝福を…。

   


「あなたは、私のモノ。だから、誰にもあげない。」


「本当に?俺から離れない?」


「もちろん。いつかこんな家で暮らしましょう。」


 感性を共有出来る人物に出逢うことはとても難しい。
 どんな有望な未来があるとしても彼を渡すことなく2人で夢に生きようと決めた。


「嬉しい。」


「もう、迷ったりしないから。
(あなたのお父様にもハッキリ言うは、あなたは画家になるんだって。)」


「解った。じゃあ、誓いの・・・キスを。」


「喜んで。」


 夕焼けの差し込む部屋で2人は、永遠の愛の誓いのようなキスをした。


 》 》


 未来が輝き始めたはずだった。
 でも、私たちの障害は巨大で強かった。なんとか2人で越えていける障害ではなかった。

 私たちは、もっとわがままになれば良かったんだ。

 中途半端な覚悟が私たちを引き裂いたんだ。


 《 《


「いつまでだだおこねているんだ。お前が帰って来ないと言うのなら彼女に立場を弁(ワキマ)えさせるしかないな。」


 説得をしないと宣言されてから1日しか経たずに息子を直接呼び出した。